手作りのシニアマンション

以前、読売ウイークリー に以下のような記事がありました。

介護付き高齢者マンション ウェルネス中島も違った意味で手作りのマンションを進めております。
違った意味というのはハード面ではなく、ソフト面での手作りです。
特にご入居者様、スタッフを問わず、安心、笑顔、共助 をテーマに取り組んでいます。

以下は読売ウイークリーの記事です。

居住者が設計に参加し完成
手作りのシニアマンション

 老人ホームは不自由だし、庭付き一戸建てはもはや手に余る―― 老いて後の住まい選びは難しい。「ならば自分たちで」と、介護施設付きのシニアマンションをつくった夫婦がいる。着想から完成までの日々を振り返ってもらった。

本誌 渡辺理雄


4階建て集合住宅のシニア村。デザイナーズマンションのようなしゃれた外観だ
 「入居希望から完成まで3年くらいかかりました。入居の皆さんは、よく待っていてくれたと思います」

 茨城県龍ヶ崎市にある中高齢者向け分譲マンション「シニア村」。真新しいテーブルが並んだ共同食堂で、「シニア村」発起人の今美利隆さん(57)がこう振り返った。

 シニア村が完成したのは、昨年10月。半円形にコンクリート打ち放しの外壁が、都会的なしゃれた印象をもつ。総戸数は29戸で、夫婦や親子など2人世帯と、女性の1人世帯が半分ずつ。平均年齢は64歳だという。

 住戸は、専有面積70平方メートル、64平方メートル、54平方メートルの3タイプ。販売価格は、54平方メートルが約2300万円だ。

 間取りは、1寝室、1リビング、1ダイニングキッチンが基本プランだが、同じタイプでも各住戸で部屋の位置などにかなりの違いがある。設計段階から、どんな住まいにするか、居住予定者と設計者が話し合って決めていくコーポラティブハウスだからだ。

 居住予定者が建設組合を作り、マンションを共同で建設するコーポラティブハウスは、特徴ある住戸を求める30~40代の住宅購入希望者らに関心が高いが、中高齢者向けのコーポラティブハウスは、ほとんど例がないという。

1階で介護サービス
 コーポラティブハウスに詳しいNPO法人全国コープ住宅推進協議会事務局長の中林由行さんは、こう話す。

 「コーポラティブハウスは、参加者が集まらないことには建てられません。できるかできないか未確定な要素があるのです。形のない物に大事な資金を出すのに、中高齢者はどうしても、慎重になります。これまでに例がなかったのは、参加者を集めるのがそれだけ難しいということでしょう」

 これに対し、今美さんはこう話す。

 「将来的に体が思うように動かなくなっても、介護サービスや家族の助けを受けながら、暮らせる集合住宅をつくりたい。それには、コーポラティブ方式がいいと思っていました。風呂場に体を持ち上げるリフトを取り付けようとしても、初めから用意しておくのと、考えられていないのとでは、かなりの違いがありますから」(今美さん)

 今美さん夫婦はそれぞれの親の介護を通じて、住まいに対する思い入れが培われたという。妻の久美子さんは、こう話す。

 「娘には親の介護で苦労させたくない。わたしたち夫婦で自分たちのことはできるだけのことをしたいと思っているんです」


共同食堂では、昼食、夕食を希望の居住者に提供している(中央の人物が今美さん)
 シニア村には、1階の共有部分にデイケアルームや共同食堂がある。現在は、居住者向けに介護保険を利用したサービスと給食を提供している。

 また、今美さんが社長を務める管理会社が、24時間対応の緊急連絡を受け付ける態勢を整えている。住戸内の連絡ボタンを押せば、会社の事務室かシニア村内の今美さんの住戸につながるようになっている。

 「病院やスーパー、最寄り駅への送り迎えや家事代行のサービスなども行うつもりです」(今美さん)

 今美さんのもとには、同様の中高齢者のコーポラティブハウスをつくりたいという人から、これまでに10件以上の問い合わせが寄せられている。ただし、前述した理由から、ほとんどが構想段階で足踏み状態になっているケースが大半だという。

 なぜシニア村は完成にこぎつけることができたのか。そこには、用意周到ともいえる準備があった。

 今美さんは、2002年3月に51歳で東芝を希望退職した。辞める前の2年間は、120人の再就職先探しをしていたという。いずれもリストラで閉鎖したショールーム関係の従業員だ。

 「自分だけ会社に残る気もしなかったので、前々から妻と話し合っていたマンションづくりをしようと。副社長に相談したところ、『すぐ計画を止めろ』と諭されましたが」

 退職金のうち、1000万円をコーポラティブハウス建設の資金として確保。そして全国の老人ホームなどを見学したり、経営コンサルタントに相談したりして、構想を具体化していった。マンション管理のための国家資格(管理業務主任者)や宅地建物取引主任者の資格も取得した。

 03年から設計事務所や建設会社と話し合いを始め、04年からウェブサイトを開設して、参加者の募集を始めた。今美さんが話す。

 「まだ形もなにもないものですから、少しずつ信頼を得ていくしかありません。新聞、テレビ、雑誌、フリーペーパー、ミニコミ誌など思いつくところには、すべてのメディアに投稿しました。合計で2000通は出したと思います」

第二シニア村計画も
 シニア村には、最初から建設予定地があった。今美さんが実父から相続を受けた土地だ。そのため、情報を見て興味を持ち、問い合わせをしていた人たちを案内しやすかったという。

 「土地があったのは大きかったですね。最終的に、問い合わせは600件以上。そのうち、100組ほどに詳しく説明して、現地を見てもらいました」(今美さん)

 地道な募集活動が実り、29戸の募集枠を超えたのは06年7月。2年余りの募集活動だった。

 東京都葛飾区在住の地方公務員・A子さん(53)は、83歳の実母との住まいとして、シニア村の住戸を購入した。A子さんが話す。

 「私が仕事に行っている間は、母は家に一人でいます。近所には友達もいて気にかけてもらっていますが、将来は介護サービスを利用することもあるかもしれません。いまはまだ、私の仕事の関係で引っ越して来られないのですが、時期を見て移りたいと思っています」

 最終的にシニア村には住戸数を超える応募があったことから、現在、シニア村の隣接地に「第二シニア村」を建設する計画もでき、今年5月から入居者の募集を始めた。

 第二シニア村の総戸数は30戸。現在の計画案によると、住戸は78平方メートルと、シニア村よりもやや広い設定。その分、販売価格も3000万円前後を予定しているという。

 「第二シニア村では介護サービスのほかに、育児支援の施設も入れられないか検討しているところです」(今美さん)

 前出の全国コープ住宅推進協議会の中林さんは、こう話す。

 「入居者同士が助け合うというのがコーポラティブハウスの理念で、中高齢者にコーポラティブのニーズはあると思います。募集の難しさはありますが、第二、第三というように、中高齢者向けのコーポラティブハウスを広げていってほしい」

 将来、老後の住まいの選択肢の一つに、コーポラティブハウスが加わる日は近いかもしれない。


(読売ウイークリー2008年6月29日号より)

この記事へのコメント

はじめまして
2010年09月09日 19:17
本日御社のチラシが入っており交流サロンに興味を持ちまして、HPを拝見させてもらいました。ボランティア経験は全くありませんが地域交流の一環として「ふれあい交流サロン」でお手伝いできれば・・・と思いました。が、詳細情報などあまりアップされてないようで・・・。直接連絡したほうがよいのでしょうか?
ウェルネス中島 管理人
2010年10月08日 22:31
コメントが保留扱いになっており、大変失礼しました。ご連絡が遅くなりましたことをお詫びします。ぜひ一度ご見学にお越しくださいませ。
ご連絡お待ちしております。

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